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    34話後の妄想

    「嫌だ。強情を張る君の言う事は聞きたくない。」
    黎翔は夕鈴をきつく抱き締める。すると暴れていた彼女が大人しくなり、彼の背に腕を廻し服を握り締めた。
     夫婦演技でもない時に、彼女がその様な事をするとは思っていなかった黎翔は眼を見開いたが、直ぐに彼女を愛おしむ様な優しい表情に変わり、瞳を閉じると腕の力を強めた。

     そんな2人の様子を建物の蔭から見詰める者がいる。
    「なにが只の上司と部下だ。そんな関係で抱き合ったりするか?チッ、おもしろくねぇ!」
    保護されたおばばに話を聞いた几鍔は、夕鈴を助ける為に駆け付けていた。
    「おや、彼氏。彼女を助けに来たのかい?」
    不機嫌な表情で腕を組み、建物に凭れ掛っている几鍔に克右が声を掛けた。
    「はぁ?またお前か。アイツは彼女なんかじゃねぇ!それに・・・」
    「それに?どうした?」
    「・・・あの野郎が助けたみてぇじゃねえか。」
    「あの野郎?あぁ~、・・・あれ?もしかして、君と娘さんを取り合いしてるって言うお役人って・・・」
    「別に取り合いなんかしちゃいねぇよ!そんな事より、お前も高商店の仲間じゃねえのか!?なんて役人に捕まんねぇんだ!?」
    「あ~、俺は用心棒を頼まれただけで、詳しい事は知らないからねぇ。まぁ、それで無罪放免って訳だ。」
    「無罪放免だぁ?うちのばーさんと夕鈴を縄で縛ったのはてめぇだろ!」
    几鍔は克右の胸倉を掴む。克右は両手を上げ、几鍔を宥める様に、
    「いや~、あの場は大人しくして貰った方が、手荒な真似されないからだ。飽くまでも2人の為を思ってした事さ。手首が痛まない様に、縄も緩めに縛ったんだぜ?尤も、几家の御婦人方は、大人しくしていてくれなかったけどな。」
    几鍔は掴んでいた胸倉を突き離し、
    「2人共、気が強いからな。どうせ夕鈴がばーさんを逃がそうと、敵の引き付け役を買って出たんだろ。アイツは超ド級のお人好しだからな。」
    「流石彼女の事は良く解ってるみたいだね。それで彼氏は、そんな彼女を放っておけないって訳か。」
    「だから彼氏じゃねぇよ!アイツは俺の縄張りのガキだから、面倒みてるだけだ。」
    「ふ~ん。」
    「そんじゃ俺は帰るからな。後は役人に任せる。」
    「あれ?彼女は連れて帰らないのかい?」
    「・・・アイツはあの野郎と帰って来るだろ。」
    几鍔は踵を返し、料亭の門を出て行った。
    『あの野郎・・・ねぇ?』
    几鍔の後ろ姿を見送った克右は、彼の居た建物の先に視線を移した。視線の先には物陰で抱き合う、黎翔と夕鈴の姿がある。それはまるで本物の恋人同士だ。
    『ふ~ん、陛下はお妃だけに溺れてる訳じゃないのか?相手は庶民の娘さんだし・・・見なかった事にしておくべきか。』
    克右は頭を掻きながらその場を後にした。

    「あの、陛下。そろそろ離して下さい。」
    「どうして?」
    「どうしてって・・・おばば様に無事だと言いに行かなくちゃ。」
    「そうだね。それと怪我の事、許してくれるか聞かないとね。」
    「はい。さっきの高商店の事が不機嫌の理由みたいですし、解決出来たんで機嫌が直ってるかもしれないです。」
    「そっか。許してくれると良いね。」
    黎翔は脱ぎ捨ててあった外套を纏い、夕鈴と共に几家へと向かった。
    家の前に着くと夕鈴は、
    「へっ、李翔さんはここで待っていて下さい。」
    「僕行かなくて、ホントに平気?」
    「大丈夫です。ちゃんと、“もう許して欲しい”って言いますから。それじゃ行ってきます。」
    夕鈴は黎翔を外に待たせ、おばばの部屋に向かった。
    「おばば様、お怪我は無かったですか?」
    夕鈴は、椅子に座り背を向けているおばばに声を掛ける。
    「私は大丈夫さ。お前も大丈夫だったかい。」
    「はい。お役人さんが来てくれましたので。それで、あの~。」
    「なんだい、はっきり言いな!」
    「あの、王宮の仕事も、いつまでも休めませんし、そろそろお怪我の事は許して頂けないかと・・・」
    「ああ、もういいよ。私を保護した小僧は、お前の仲間らしいじゃないか。今回の件はお前に助けられたって事で、怪我の事は許してやるよ。」
    「ほっ本当ですか!?」
    「なんだい!この私が嘘を付くとでも思ってるのかい!?」
    「いえ、とんでもない!それじゃ、王宮の仕事に戻って良いんですね?」
    「クドイよ!私の気が変わらないうちに、さっさと帰りな!」
    「はい。有難うございます。」
    おばばの部屋を後にした夕鈴は、外で待つ黎翔の許へと走る。
    「李翔さん、許して貰えました!」
    「凄いね、夕鈴の誠意が伝わったんだ。夕鈴は自分の家の事を、ちゃんと自分で解決したんだね。」
    「でも先程助けて頂きましたし・・・やっぱり私1人じゃ解決出来なかったですね。」
    「さっきのは、夕鈴の家の事と関係ないでしょ?君は商家同士の争いに巻き込まれただけだ。だから君は、家の事を自分で解決したんだよ。」
    「でもやっぱり、助けて頂いた事には変わりありません。有難うございます。」
    「それじゃ急いで後宮に帰ろうか。」
    「私は青慎に会ってから帰りますので、へい、李翔さんは先に帰って下さい。」
    「えぇ、嫌だよ。夕鈴と一緒に帰りたい。」
    「ちゃんと帰りますから。変な我が儘言わないで下さい。」
    黎翔は夕鈴の腕を引き、拘束する様に抱き締める。
    「僕が先に帰ってしまったら、君は帰って来ないんじゃないかって不安になる。だから一緒に帰るって言うまで離さないよ。」
    夕鈴は必死に、黎翔の胸を押し離そうとしながら目を白黒させ、
    「不安って・・・。まだ借金だって残ってるんですから、ちゃんと帰りますよ?」
    「ダメ。一緒に帰って、早く僕のお嫁さんに戻って。」
    「わっ解りましたから、離して下さい!青慎に帰るって、一緒に言いに行きましょう。」
    「うん!」
    黎翔は夕鈴の掌を握り、彼女の家へと走る。

     一方、几家では、
    「おい、ばーさん。夕鈴はどうした?」
    「ああ、帰したよ。もう許してやったからね。」
    「じゃあ、あの野郎と王宮に戻るのか・・・」
    「娘を外で待っていたあの男はなんだい?」
    「王宮の仕事の上司だとよ。前にアイツが休暇で帰って来た時も、付いてきやがった。」
    「ほう・・・鍔。お前はあの娘を、どう思ってんだい?」
    「はぁ?どうとも思ってねぇよ。」
    「ふん、素直じゃないね。お前が昔っから、あの娘を好いてたのは解ってんだ。」
    「なんでそうなるんだ!全く、どいつもこいつも・・・」
    「あの娘なら、お前の嫁として認めてやるよ。お前も几家の後取りなら、欲しい物は力尽くで手に入れるんだね。さっさとしないと、娘をあの男に取られるよ!」
    「だからなんでそうなるんだよ!」
    几鍔の怒鳴り声が響いていた。


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    ありがちな上にセリフばかり・・・(。-`ω-)ンー
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    管理人は熱しやすく冷めやすいです。飽きるのが早いです。長続きしないと思われますが、どうぞそれまでお付き合いください。

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