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    28話後の妄想

    渕香亭に戻った夕鈴と浩大は、未だ言い争いをしている。
    「私はちゃんと落ち着いてるわ!これ以上どう落ち着けと言うの?」
    「うん、お妃ちゃんは落ち着いてる。でももう少し冷静になろうよ。」
    「落ち着くのと冷静になるのと、どう違うのよ!もう着替えるから出て行って!」
    「うん、解ったから。飲み物とついでに何か食い物も貰ってくるよ。部屋を出ないでね。」
    浩大が部屋を出て行き、夕鈴は着替えを始めた。
    着替え終わり浩大を待っていると、廊下で物音がする。
    「ん?浩大なの?」
    浩大に部屋を出ない様に言われていた夕鈴だが、物音が気になり部屋を出てしまった。
    「何かしら?」
    物音の原因を探ろうと夕鈴は部屋を離れる。すると眼の前に大きな黒い布があり、夕鈴はそれに覆われてしまった。
    「きゃぁぁぁぁぁぁぁ」
    「お妃ちゃん!?」
    運良く浩大が戻り、夕鈴を監禁しようとしていた者は慌てて逃げ出す。しかし、その者達は幽霊(仮)に取り押さえられた。騒ぎを聞き付けた老師が事の経緯を聞き、黎翔の元へ報告に行く。黎翔と共に李順も渕香亭に戻り、幽霊(仮)は取り押さえた者達を黎翔の前に引き摺り出した。
    「幽霊(仮)、良くやった。しかしお前は何故ここにいたのだ?お前にも宴の席は用意されている筈だ。」
    「はい。例の怪文書はお妃様が宴の幹事を采配されてから出回りました。采配に不満のある者の仕業でしょう。依って宴を潰すような、何か良からぬ事を企むのでは・・・と留意し、辺りの見回りをしておりました。」
    「成程な。お前は妃を救ってくれた。後で褒美を取らせる。」
    黎翔は取り抑えられた者達に向かい、
    「誰の差し金だ?」
    「・・・・・・」
    抑えられた者達は口を開かず、幽霊(仮)が、
    「この者達は、柳 経倬殿に従っている者達です。」
    「あの小心者か。李順、柳大臣と経倬を呼べ。」
    「畏まりました。」

    李順に呼ばれた柳大臣と経倬だが、経倬は李順に声をかけられた時点で顔を青くしていた。
    「経倬、何故呼ばれたか解っているな。」
    経倬に問う黎翔の後ろには、己に従う者達が取り押さえられている。経倬は震える声で、
    「いえ・・・私には何の事だか解り兼ねますが。」
    「言い逃れ出来ると思っているのか?手打ちにしてくれる。」
    剣を抜いた黎翔に夕鈴は駆け寄り、
    「陛下、駄目です。私を貶めようとしたとしても、この人は方淵殿のお兄さんです。柳大臣の息子さんなんです。お手打ちにしてはいけません!」
    その言い合いに割って入るかの様に柳大臣が口を開く。
    「陛下、我が子を手打ちとは。一体何事なのでしょう。」
    「経倬に従うこの者達が我が妃を襲ったのだ。此奴の指示だろう。」
    「な・・・なんと!真でございますか!?」
    「ああ、幽霊(仮)が妃の襲われた場で取り押さえた。柳大臣、お前の一族の不始末をどう付ける?」
    「・・・経倬は柳家の長兄、しかしこの様な事態を起こしたとあっては、責任を取らせなければなりません。経倬は我が一族から放逐し、方淵に柳家を継がせます。」
    「な・・・父上!」
    経倬は震えながら大臣に縋る。
    「実力も能力もない癖に、弟を妬み、この様な事を画策するとは。お前は柳家の恥晒しだ。今後柳の名を名乗る事は許さん。この場で命を取られなかっただけでも有り難く思え!」
    柳大臣は夕鈴の前に平伏し、
    「お妃様、この様な愚息でも我が子は我が子。命をお救い下さいました事、深く感謝致します。」
    「いいいいえ、私はそんな感謝されるような事はしていませんから。柳大臣、顔を上げて下さい。」
    事の流れを黙って見ていた李順が、
    「陛下、この後の宴はどうなさいますか?」
    「そうだな、この様な事態があったのだから、ちゅ「中止になんかしちゃ駄目ですよ。」」
    「方淵殿と水月さん、それに官吏の皆さんがあれだけ頑張ったんです。ちゃんと最後までやらせて下さい。」
    「・・・我が妃がそう望むのなら。李順、この騒ぎは気付かれぬ様にしろ。宴は続行する。」
    「畏まりました。」
    その後の宴は滞りなく進み、夕鈴は終了の儀にだけ赴き、無事春の宴は終了したのであった。



    宴が終わり、方淵と水月は片付けの指示を出していた。水月は花を見上げながら、
    「方淵、宴の準備をしないかい?」
    「何を言っている?宴は終わったではないか。」
    「陛下とお妃様、2人きりの花の宴だよ。お妃様は終了の儀しか訪れていない。これだけの宴に出来たのは、少なからずお妃様のお陰だ。楽団等は用意出来ないけど、そんな物がなくても、お妃様も陛下も2人でなら楽しんで貰えるんじゃないかな。」
    「ふっ・・・そういう事か。いいだろう。」



    後宮に戻った黎翔と夕鈴の元を李順が訪ね、
    「陛下、夕鈴殿、宴の用意が整いました。」
    「宴は無事に終わったではないか。整ったとはどういう事だ?」
    「方淵殿と水月殿が、お2人の為に宴の準備をしたそうです。」
    「方淵と水月が?」
    「はい。お2人だけですので夕鈴殿も楽しんで頂けます。」
    「そういう事か、夕鈴行こう。」
    「え、いいんですか?」
    「ああ、彼らが用意してくれたんだ。楽しもう。」

    会場に行くと王の席の回りだけ提灯が灯っており花を照らしている。2人は椅子に腰を下ろすと夕鈴は黎翔に酒の酌をし、黎翔はそれをゆっくりと口内に流し込む。何処とも無く笛の音がし、
    「あ、水月さんかしら。綺麗な音色ですよね。」
    「ああ、素晴らしい演奏だ。良い演出をしてくれる。やはり我が花と共の宴は楽しい。」
    黎翔は夕鈴の肩を抱き寄せ、彼女に甘い笑顔を向け、その笑顔にドキリとした夕鈴は顔を赤くし、はにかむ様に俯く。穏やかに時が進み、やがて黎翔は彼女の肩に頭を凭れ掛けた。
    「え、陛下酔っちゃったんですか?」
    黎翔から返事は無く、夕鈴は仕方なく肩を貸していた。しかし酔った黎翔は、彼女の首筋に唇を這わす。夕鈴はゾクゾクする感触に、
    「へ陛下、何をしてるんですか!?」
    黎翔の肩を掴み押し離そうとするが、黎翔は彼女の手首を捉え顔を近づけ、
    「夕鈴、大好きだよ。」
    と告げる。夕鈴は彼の息から漂う酒精の香りだけで酔いそうになりながらも
    「へへへ陛下、何を仰って・・・んんっ」
    夕鈴の唇は塞がれ舌で口内を掻き乱される。黎翔の唾液に混ざった強い酒の味に夕鈴は酔い始め、徐々に思考は朧げになり抵抗出来なくなっていき、黎翔はゆっくりと彼女を押し倒していく。2人きりの花の宴の会場には夕鈴の鳴き声が響き渡った。


    渕香亭で宴の終了を待っていた方淵と水月は、
    「時折お妃様の声が聞こえるね。我々は何時になったら帰れるんだろう。」
    「お前が提案した事だ。最後まで責任を持て。」
    「陛下は精力がお有りになりそうだし、まだまだ長そうだね。寝不足は肌に悪いから仮眠でもしてないかい?」
    「そうだな。ただ待っていても仕方がないからな。長椅子で眠るとしよう。」

    方淵と水月は長椅子に横たわり、幹事という大役を無事終えた2人は疲れていたらしく、その儘ぐっすりと眠ってしまうのであった。



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    管理人は熱しやすく冷めやすいです。飽きるのが早いです。長続きしないと思われますが、どうぞそれまでお付き合いください。

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